☆ 「質屋」‥‥品物を預かって金を貸し、利子を取る。期限までに返済しないと品物は流されて返してくれない。利子だけ払って期限を延ばすことを利上げと言う。質流れの品は売りに出される。私の父の友人に質屋が居たので、子どもの頃、家の中は質流れの品が一杯あった。うちはその質屋から借りてなかった……と思う。
☆ 「繻子(シュス)」‥‥繻子織。経糸と緯糸との組織点を少なく分散させて、織物の表面に経糸または緯糸を浮かせたもの。なめらかで光沢がある。緞子、繻珍(シュチン)なども繻子織の一種。
☆ 「手伝い(テッタイ)」‥‥手伝い職。大家に出入りする職人。大工でもなく左官でもなく植木屋でもないが、なんでもできる人。便利屋というところか。上方落語に出てくる手伝いは熊五郎が又兵衛という名前に決まっている。今の女性のお手伝いさんとは違う。
☆ 「本家(ホンケ)、母屋(オモヤ)」‥‥上のような手伝い職が何軒も出入りしている中で一番頼りにしている出入り先を本家、あるいは母屋と呼んだ。本家はあるが元祖はない。
☆ 「かんざ」‥‥かんざまし。ご婦人の頭に差す……これはかんざし。なんの関係もない。燗酒が冷めて残ったもの。私はもったいないので必ず飲みます。アルコール分が少し飛んでしまっているが、酒には変わりない。
☆ 「菅原道真」‥‥845〜903。平安中期の学者、政治家。学者としては破格の出世で右大臣にまで任ぜられた。藤原時平の策動で大宰府へ左遷され(流された)、翌々年死去。その後、道真のたたりと称する異変が相次いで起こり、霊魂を鎮めるため北野の土地に天満天神として祀られた。幼少の頃から才能は目を見張るものがあり、11歳で詩を書いて父を驚かせたという。わたしゃ、作文なら書いてましたけどね。ご存じ学問の神様。
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