☆ 「起請」‥‥平たく言えば契約書。昔の武士の世界でも起請はあったが、ここでは結婚の約束。神仏に誓って取り交わし、約束を破ると罰が当たると昔の人は真剣に信じていた。この心構えで起請誓詞を取り交わす習慣を政治家の皆さんやどこかの建築屋さんにお勧めしたい。
☆ 「仕替えを取る」‥‥芸娼妓が働く場所を替えること。これをするたびに年期が延びる。動詞で「仕替える」とはあまり言わなかったらしい。
☆ 「けんびき」‥‥後頭部から肩へかけての筋肉(僧帽筋)の意。またその痛み、凝りのことも言う。この痛みが頭まで上がると、脳溢血などを引き起こして一命にもかかわると考えられていた。「けんびきが肩を越す」というのはこのような状態。
☆ 「初会」‥‥お客と女郎が初めて相方となること。二度目を「裏を返す」と言い、三度目でようやく「馴染」になる。
☆ 「お燈明に丁子が乗る」‥‥神仏に供えるお燈明の燈芯の先端が固まって、丁子の実のように見えると縁起が良いという迷信。丁子の実は、気の利いたお店でウィスキーのお湯割りを注文すると付いてくる。「香りがいいのよ」とその店のママは言うが、私は鼻が悪いのでよく分からない。
☆ 「反故(ホウグ)」‥‥ホウゴ、ホグとも言った。文字などを書いた紙で用のなくなったもの。今なら捨ててしまうところだが、昔はうまく再利用した。その心がけを受け継いで、私は落語会のチラシの古いものはアンケートに再利用している。by エコマーク米二
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