2002-03-17
 かねよ寄席で大喜利
 
春ですね。我がロフト、私の仕事部屋兼寝室は屋根裏にあり、屋根に当たる直射日光で日によっては室温が25℃を超えます。30℃になるのも時間の問題のようです。ハーッ…。今から先が思いやられますなぁ。

さて、兄弟子の桂歌之助が旅立って早2ヶ月が過ぎました。追善の落語会もいろいろ企画されています。その中で先月、京都の鰻の老舗、かねよさんで「かねよ寄席」の追善会が開かれました。この鰻屋さんでは14年間、歌之助兄が世話人で毎月落語会が開かれてきました。1,400円で鰻丼付という画期的な会。落語より鰻が主役…という影の声もチラホラ。それはともかく「かねよ寄席」は私と歌兄ちゃんの愛弟子、歌々志君とで引き継ぐことになりました。

毎年、11月は○○周年記念会を特別に開いていました。昨年11月の14周年記念会は、歌之助兄が入院中で延期になりました。退院したら「全快祝」の特別会を開く予定でしたが、これは残念ながら叶いませんでした。追善会になった訳です。…無念。

記念会にはいつも大喜利を付けていました。さすが「かねよ寄席」、なぞかけのお題をお客様からいただくと、必ず「鰻」が出るのです。ハイ、向こうが主役ですから…。私もこの大喜利に何度も並びましたので、そのうちにいつも答が同じになってしまいました。鰻とかけて、コーヒーと解く。その心は、炭焼きが値打ちです…。あんまりよくないのですが、毎年答はこれ。

追善会でも大喜利を付けました。今回のなぞかけ、どうせお客様から「鰻」は出てくるであろうと思い、お題をいただく前に先にこちらでやってしまうことにしました。そして、お客様からはぜんぜん違う題をいただこうと楽屋で決めたのです。

さ、ここからが問題。なぞかけは簡単なようで難しい。普段からよくやっていると、すばやく答が出てくるのですが、なんせ久しぶり。頭の回転の鈍いこと。お客様はどんな題を出してくるか分かりません。そういう時は予行演習をやります。なんか国会みたいですけど…。

出そうな題として予想したのが、タイムリーなところで「冬季オリンピック」と「外務省」。みんな楽屋で一生懸命考えておりました。こういう時の楽屋は妙に静かです。それぞれみんな考えました。この題が出るかどうかは分からんのですが…。

さて、本番。それぞれみんなが「鰻」とかけて…で答えた(私は当然コーヒー)後、お客様から題をいただきます。緊張の一瞬です。「オリンピック」と「外務省」来てくれよ…と祈りつつ。勢いよく手が挙がったお客様の口から出たのは、「石川五右衛門」。…なんでやねん?

その日に出てた落語「骨つり」に因んでということなんでしょうが、全くの予想外。「個人名はちょっと差し障りが…」とやんわりお断りして、次に出た題が「ソルトレーク」。待ってました! と、これを冬季もクソもあるかいと、無理矢理「オリンピック」に捻じ曲げていただくことにしました。回答者一同、ホッとしたことは言うまでもありません。…やれやれ。

ところで、その日出なかった「外務省」。ボツにするのも惜しいので、ここでご紹介します。外務省とかけて、製鉄所と解く。その心は、あっちもコウテツ、こっちもコウテツ。…失礼しました。