1回お休みしましたが、バリ島珍道中の最終回をお届けしましょう。…と思ったのですが、2回に分けます。今回のエピソードははっきり言って小ネタです。そういうことで後回しになりましたが、それはバリに着いてすぐに起こったことです。ホテル「クラブ・バリ・ミラージュ」へ着いて、日本語の分かるガイドさんにいろいろ説明をしてもらいました。ホテル内のこと等、一通り説明が終わると親切なガイドさんは帰って行ったのでした。
外国ではセキュリティーが大切です。比較的バリは安全だと思っていました(テロの前だったもので…)が、金庫があったので、パスポートや日本円の入った財布はそこへ入れておくことにしました。もちろん、ガイドさんに使い方を説明してもらっています。任意の暗証番号を決めて、ロックする。開ける時は暗証番号を押すとロックが解除される。単純なものです。
暗証番号は私の誕生日にしました。つまり、0906です。覚えやすいし、家族全員知っています。いや、ちょっと自信がない。子ども達が私の誕生日を覚えてくれていることを再確認して(よかった…)から、暗証番号の設定をしました。一度実験をして開くことを確認し、貴重品を入れてロックしました。これで安心。
でも開かなかったのです。その金庫は。どうしても開かなかった。なんぼ暗証番号を押しても「ピー、ピー、ピー」と鳴ってエラーのメッセージ…。おい、オレを犯罪者扱いするな!
当時小3だった娘が言いました。「さっきは開いたよ」。おい、開けたんかい。用事もないのに。私の誕生日を押したらちゃんと開いたらしい。
「また閉めた。その前に番号押しといたで」
「ちょっと待った…。いらんことせえでもエエねん。違う暗証番号になるがな。何番押したんや?」
「さあ?」
「さあ…やないがな。…おい、エライこっちゃ」
念のため妻の誕生日を押しました。開きません。息子の誕生日。ダメです。最後の砦、これを押した娘の誕生日。万事休す…。結局、フロントに電話しました。このホテル、日本語通じるやろか?
「アー、ユー、スピーク、…ジャパニーズ?」
「オー、ごめんなさい。にほんご、はなせません」
それを流暢な日本語で言うな、ちゅうねん。そういうとこのホテル、日本人少ないなぁ。うーむ、しょうがない。知ってる単語を並べるしかありません。えーと、金庫は?
「…セーフティーボックス(なんで言えたんやろ?)、…ドントオープン」
「オーケー、オーケー(何がOKなんや?)、ジャストアモーメント」
1時間待ちました。覚えておいてください。バリ島のjust a momentは1時間のことですよ。ホテルのどんな係の兄ちゃんか知りませんが、ゆっくりと来てくれました。ゆっくりと。
なんかしゃべってたようですが、私には分かりません。でもちゃんと金庫は開けてくれて、気のいい兄ちゃんは帰って行きました。その後、金庫は我々に嫌われて、一度も使われることはなかったのでした。
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