2002-08-15
 バリ島珍道中(1)
 
お盆休みのさなか(休みのない方もいらっしゃいましょうが…)いかがお過ごしですか? 我が家は毎年必ずどこかへ出かけていたのですが、今年は諸般の事情により家にこもっています。じっとしていてもロクなことはありませんな。昨日、玄関で大量に散らかっている靴をまたぐ時に、踏みはずしてひっくり返ってしまいました。左足首は軽い捻挫。こんな時に限って医者は休みなんです。いつもの間の悪い私のパターンでございます。ま、なんとか正座はできるので舞台には差しつかえないと思いますが…。けど痛いわ〜。

今年はこんな状態ですが、昨年の夏は海外旅行をいたしました。そのお話でもいたしましょうか。本来ならもっと前にご報告するべきなのですが、昨年はパソコントラブルで「米二情報」が中断していました。そんな訳で1年前を思い出しながら、お話を進めて行きましょう。

行き先は南の楽園、バリ島。向こうで3泊する予定でした。出発当日は関空に9時集合です。という訳で、「朝は5時半起床、6時半出発」と、私は家族に向かって声高らかに宣言したのでした。出発前夜、家族全員(私と嫁はんと小学生の息子と娘、計4人)持ち物の準備は万端です。おやつは5ドルまで…。子どもが目覚し時計を合わせています。ちょっと遅くなったけど一杯引っかけて寝ました。

で、朝になりました。嫁はんの「エライこっちゃ〜」の声で目が覚めたのです。手元の時計を見たら6時25分…。おいおい、子どもの目覚まし時計はどうなってんねん? 目覚ましのベルは5時半に合わせてあるけど、肝心の時計が1時間遅れてるやないかい…。言うてたら鳴り出しました。もう遅いわい!

顔も洗わずにタクシーに飛び乗りました。JR京都駅発7時16分の関空行特急「はるか」に乗らなくてはなりません。運ちゃんは大丈夫です、間に合いますと言ってくれてます。私もそう信じてタクシーに乗っていました。

発車5分前に「はるか」の乗り場に着きました。安心するとお腹が減ったので、弁当を買って乗り込みました。しばし落ち着きました。これで大丈夫と…。それにしても、この「はるか」は特急やのにスピードが遅いねぇ。朝のラッシュ時のダイヤの中をかいくぐって走ってるから、スピードが出せないのでしょうなぁ。遅れてんの違う? と思うようなスローな走りで、それでも定刻に関空へ着いたのでした。

スーツケースをゴロゴロと引きずって、旅行会社のカウンターまで来ました。午前11時発のガルーダ・インドネシア航空機に乗ることになっています。チケットやパスポートの確認をしていると、旅行会社のお姉さんが突然、妙なことを言い出しました。

「申し訳ありませんが、使用機到着遅れのために出発が遅れます」

何? こっちは寝過ごして顔も洗わんと出て来たのに。で、どのくらい?

「ハイ、只今のところ10時間遅れの午後9時頃出発を予定しております」

能面のように無表情なお姉さん、サラサラッとおっしゃった。あのね、ちょっとお姉さん、それってすごくたいへんなことじゃないの? それなのに、なぜあなたはそんなに平然としてるの? 10時間ちゅうことは今日1日棒に振る訳ですよ。あんたにとってこれは他人事かい? せめて顔面蒼白になって「申し訳ありませ〜ん」と平身低頭して言うてくれへん? そらまぁ、あんたのせいやないやろうけど…。これがJALやったら、「そこらへんにある飛行機、すぐに持って来〜い」と言うんやけど、ガルーダではねぇ。インドネシアは遠いもん。家で8時間半ほど寝てたらよかった…。

事務的なお姉さんは呆然とする我々に向って、

「出発の時間までホテルの部屋をお取りしますので、休息なさってください」

誰も休息したいことないねんけど…。その前にお食事を、と関空内のレストランで使える食事券をくれました。これやったら「はるか」で弁当食べなんだらよかった…。

食事を済ますと、バスでホテルへ連れてくれることになりました。JALやANAならすぐそばに系列のホテルがあるけど、ガルーダ・インドネシア航空のホテルはどこなんでしょう。我々と同じ傷心の家族を何組も乗せたバスは15分ほど走って、とあるホテルの前へ着いたのでした。ホテルの名前は「関空天然温泉ホテル・ガーデンパレス」。温泉やて…。関空に温泉があったんですなぁ。だいぶ離れてるけど…。名前だけ使われとる。

マイクロバス数台分のガルーダの乗客はそれぞれ与えられた部屋に散りました。こんなに空き部屋が常備されてるホテルもスゴイ!

本来ならそろそろバリ島に着く頃、我々は温泉につかっていたのでした。このむなしさを分かっていただけるでしょうか。バリのホテルで最初の夜を迎えるはずなのに、その夜は狭い飛行機で寝ることになったのです。結局、飛行機は11時間半遅れの午後10時半、関西空港を離陸しました。

ガルーダ・インドネシア航空の飛行機はなんかアバウトという感じでした。座席の肘掛は壊れてたし、前のビデオの画面は写らないのもある。直そうという気もないみたい。飛んでるだけでも喜ばなくてはいけないのでしょうねぇ。

すぐに機内食が出てきました。いったい本日何度目の食事でしょう? チキンと魚の2種類があるというので、迷わず魚にしたら、さすが和食です。茶そばが入ってる。思わず「チェンジ、チェンジ」と叫んでいました。そう、私は蕎麦アレルギー。この上、アレルギーでぶっ倒れてたまりますか! 少し色の黒いスッチーは、なんで私が叫んでたか分かってないでしょうねぇ。

ガルーダ・インドネシア航空の良いところは、行きも帰りもバリへ直行だということです。これがJALだと行きか帰りかのどっちか知らんけど、ジャカルタに経由するそうです。つまりガルーダは早いということ。それはエエけど、バリへ着くのは朝。早過ぎるのと違うかな?

飛行時間は7時間弱。けっこうバリは遠いのです。狭い座席でよく寝られません。エコノミークラス症候群の心配をしてたら、眼下にバリの灯が見えてきました。大阪とは大違い。暗〜いのです。全部、蛍光灯ではなくて白熱灯という感じです。日本と時差が1時間しかないバリは、まだ午前4時ですわ。

疲れきって、バリ島はデンパサール空港に降り立ちました。さすがにこんな時間に着く飛行機は他にありません。ガラーンとした空港内、税関もスッと通り抜けると、現地のガイドさんが待っていてくれました。この人も気の毒ですねぇ。アクシデントとはいいながら、夜明け前から仕事をせんならん…。バスでホテルまで案内してもらいました。窓の外から初めて見るバリの町。なんや真っ黒けでよう分かりません。

ホテルへ着きました。「クラブ・バリ・ミラージュ」といってなかなか良いホテルです。ちょっと待って…。ここへ3泊する予定が2泊に減ってるやないかい。エライ損やがな。(あとで1人あたり2千円返してくれました。お金の問題やないねんけど…)

ここのホテルは全館食事付です。つまりバイキングで朝も昼も晩も「ヨーデル食べ放〜題」なんです。それにビールも別料金ではありません。「飲み放〜題」なんです。不慣れで言葉の分からん旅人にはありがたいけど、これ、食べ過ぎて太りまっせ。3日も居てたら。

白いビニールのリボンを腕に巻いてもらいました。これを付けてるとホテル内の食事はフリーパスなんです。なんか遊園地みたい…。

夜が明けてきました。さすがに海岸は美しい。それに京都より涼しいのです。なんか避暑に来たみたい…。

つづく